しんどい‥‥アニメ版じゃ確かキャシャーン対ロボットで、ロボットも操られてるだけの鉄のかたまりだったから、ボカスカ壊しても「やっちまえ〜」という爽快感があったのに、映画ではキャシャーンの敵が同じ新造人間で、どちらも生きるために戦っているから、もう、どちらが勝っても負けてもずーんと重苦しい。

 実際の戦争もこんなんだろうね。突然、今まで当たり前にあった生活を逆らえない巨大な力でつぶされて、その憎しみが次の憎しみを生んでいく。

 映画は作り物だけどこのちょっとやそっとで救えない絶望は地球上に実際にある。今のわたしには差し迫っていないけど、いつかそんな世界に生きることになるかもしれない。

 ほどほどで生きることにみんなが満足できたらいいのかな?

 でもその「ほどほど」だって人によって全く程度が違うしなあ。

 わたしだって「今の自分の生活に満足してる」時と、「もっともっといい生活がしたい」って思う時があるもんなあ。

 元気で楽しく生きていきたいだけなんだけど。

 最後の最後まで殺し合っててキツい‥‥救われんなあ。

 すごい映画だけど、また観ようとは思わないな。

 ラストシーン、何が起こったの?

 テツヤが見た幻?

 死んでも魂は死なずに再生するってメッセージ?

 ごめん、わたしには理解できませんでした。

 エンドロールで映される当たり前の平和な場面が悲しい。

 映像はきれいで不思議だけどちょっと観づらい。

 プロモーションビデオみたいで、長時間観る映画の映像としてはなんか落ち着かない。

 キャシャーンの変身後の顔のところ、まぬけ。

 もっとかっこよくできないかのお。
「CASSHERN(キャシャーン)」
監督:紀里谷和明